ご挨拶
病院では、手術や検査に関わる活動をはじめとして外来、入院、救急医療、検診活動、リハビリテーションなどさまざまなことが行われています。こうした活動のためには病院設備が整っていることが不可欠です。つまり、病院は患者の健康の回復、維持を目的としており、患者の幸せを支える施設といえるでしょう。
ここ数年、医療安全がキーワードとして取り上げられています。医療施設の電気・空調などの設備は、患者の生命はもちろんのこと医療従事者の安全にも直結しており、そうした施設機能を安全、確実に運用することが厳しく求められるようになりました。病院機能を正しく安全に運用することは医療安全の観点からも重要であり、それを実行するためには院内に病院設備に精通した担当者を配置しなければなりません。現在の病院設備は、「電気設備」、「通信設備」、「空調設備」、「給排水衛生設備」、「医療ガス設備」、「防災設備」、「監視制御設備」、「搬送設備」、「エネルギー管理」など多岐にわたっており、設備担当者はこれらを関連づけて体系的に学ぶことが必要です。
一般社団法人日本医療福祉設備協会では、病院設備に関する技術系職員を育成するため、平成24年度に「ホスピタルエンジニア認定制度」を創設しました。これは、病院設備において必要とされる知識と技術を体系的に身につけた専門家を世に送り出すための制度です。この制度によってホスピタルエンジニアとしての自覚が生まれ、病院設備の側面から医療安全に大きく貢献していただくことを強く願っています。